ネットで見かけた《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》入りのThe Rockがとても楽しそうだったのでMOでカード買い集めて組んでみました。
レシピはこんな感じ。


 1:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》
 1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower(USG)》
 1:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor(FUT)》
 4:《Bayou(LEB)》
 4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
 4:《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
 4:《森/Forest(M11)》
 3:《沼/Swamp(M11)》
 2:《永遠の証人/Eternal Witness(5DN)》
 1:《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder(EVE)》
 2:《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
 4:《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》
 1:《花の壁/Wall of Blossoms(STH)》
 1:《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》
 1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
 2:《漁る軟泥/Scavenging Ooze(CMD)》
 1:《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit(ULG)》
 3:《大渦の脈動/Maelstrom Pulse(ARB)》
 1:《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》
 1:《悲劇的な過ち/Tragic Slip(DKA)》
 3:《Hymn to Tourach》
 4:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》
 4:《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》
 1:《占骨術/Skeletal Scrying(ODY)》
 2:《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top(CHK)》
 2:《四肢切断/Dismember(NPH)》
 3:《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》
 
 サイドボード
 1:《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》
 1:《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》
 1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt(TSB)》
 1:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb(SOM)》
 4:《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
 1:《滅び/Damnation(PLC)》
 2:《根絶/Extirpate(PLC)》
 1:《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg(LRW)》
 2:《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre(SHM)》
 1:《クローサの掌握/Krosan Grip(TSP)》


簡単に動きの説明をすると、1:《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》を出す。2:《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》や《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower(USG)》でサクる。3:伸びたマナを使って《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》で流したり《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》や《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit(ULG)》あたりのパワーカードでゴリ押ししたり。
って感じのデッキで、一見大味のように見えるかもしれない。ところが実はこれがたくさんのシナジーに支えられているよく練りこまれたデッキで使っていて楽しいんですよ。って話を今日はしたいんです。

まず、このデッキのキーとなる《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》について。
このカードのオラクルを一応貼っておきます。

Veteran Explorer / 老練の探険者 (緑)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier) スカウト(Scout)

老練の探険者が死亡したとき、各プレイヤーは自分のライブラリーから最大2枚まで基本土地カードを探し、それらを戦場に出してもよい。その後これにより自分のライブラリーを探したプレイヤーはそれぞれ、自分のライブラリーを切り直す。
1/1


簡単に言うと、こいつが死んだらお互いにダブル《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》ってこと。(アンタップインだから《荒々しき自然/Untamed Wilds(S00)》の方が正しいかな)
この効果が何をもたらすか?
マジックにおいて通常、土地は一ターンに一枚ずつしか置けないもの。ターンを追うごとに土地が増え、使えるマナが増えることによって互いに重い呪文を唱えることが可能になったり、多くの呪文を一度に使えるようになる、といういわゆる「テンポ」という概念がマジックというゲームの基礎にあることは誰でも知ってると思います。
ことレガシーという広大なカードプールを擁するフォーマットにおいては、軽くて強力な呪文が使い放題であり、そういった軽くて強力な呪文を毎ターンテンポよくきっちり使いきれるように構築されたデッキがメタの中心を占めています。軽くて強力な呪文を毎ターン使えるということは、早いターンに勝負の決着がつくということであり、5枚目6枚目の土地に到達する前にどちらかのライフ(かライブラリーか毒カウンター)が0になっていることもざらです。
また《不毛の大地/Wasteland(TMP)》や《もみ消し/Stifle(SCG)》、《Sinkhole》といった現在のスタンダードでは容認されない軽すぎる土地破壊を戦略の中心にすえたデッキも多数存在し、ほとんどのデッキは「マナが伸びないこと」を前提とした構築になっています。
はいここです。ここがポイントなんです。
「マナが伸びないこと」を前提にしたデッキが相手なら、相手に「マナを伸ばさせる」ことがいったいどれだけのデメリットになるというのか?
マナカーブの頂点が《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》や《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant(ALA)》であるデッキが6マナに到達したからといって、いったいどれだけの脅威があるというのか?
さらにはレガシーはフェッチデュアラン環境。21枚の土地スロットのうち、4枚が《不毛の大地/Wasteland(TMP)》、8枚がフェッチランド、6枚がデュアルランド、基本地形は3枚だけ、なんてマナ基盤のデッキすら珍しくありません。
相手のライブラリーに基本地形がないのなら、《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》は脅威の1マナダブル《荒々しき自然/Untamed Wilds(S00)》となるのです。

なんてことはきっとこの《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》というカードが注目を浴び始めた当初から語りつくされてきたことでしょう。
これ以外に僕が気づいたこのデッキの利点について。
このデッキのキーカードははじめに述べたようにデッキ名にもなっている《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》。でもそれと同じくらい、いやそれ以上と言っても過言ではないくらい重要なパーツが《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》だと思います。
《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》は単なるサクり台としてももちろん優秀ですが、(効果じゃなくてコストだからスタックで《剣を鍬に/Swords to Plowshares(ICE)》を食らわない!)それ以上にこのデッキにおいては本来の機能、つまり選択式手札破壊として有用だ、ということです。
さっき言ったようにマナカーブの頂点が《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》であるデッキが6マナに到達したとしても、急にデッキに入ってない《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》が出てくるわけではない以上、重い呪文による脅威は少ないでしょう。しかし《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》が同時に出てきてしまったら、対処に少々骨が折れるかもしれません。
そのための手札破壊なのです。
マナを渡そうと、そのマナを使うための手札がないなら。このデッキは《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》だけ、あるいは《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》だけならいくらでも対処が可能なようになっています。そのための《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》であり《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》です。
また、《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》はこのデッキの重い部分、それこそとおりさえすればそのまま勝ててしまうようなクリーチャーたちを押し通すためにも大活躍してくれます。
《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》の前では《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》など問題にはなりません。重要なのは《Force of Will》や《対抗呪文/Counterspell(ICE)》や《剣を鍬に/Swords to Plowshares(ICE)》といったタイタンに対処可能なカードを持っているのか、持っていないのか。それだけです。カード名の指定を外して落胆することはありません。それはつまり対戦相手の手札がタイタンに対処できないということなのですから。(もし予想外の対処手段、たとえば《神の怒り/Wrath of God(10E)》なんかを見つけてしまったときは、そっとゾンビトークンを生け贄にもう一発打ち込みましょう)
《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》にはできない仕事、つまり相手のウィル、ソープロ、カンスペ複数構えを問答無用で叩き落せる、それが《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》を選ぶ理由です。
表裏とほぼノーコストで連発可能で、抱えられて困るカードを根こそぎにできる《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》は《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》と並んでこのデッキの確定4枚パーツです。本当なら8枚入れたいくらいです。でも8枚入れるとデッキリスト提出の段階で0ターンキルされるので代わりに《Hymn to Tourach》を入れているのです。なんたる不条理。

もう一つ、このデッキのキーパーツと言えるのが《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》でしょう。ゴブリンの群れだろうがアーティファクトの行列だろうがエンチャントのバーゲンセールだろうが問答無用で吹っ飛ばせる説明不要のパワーカードである《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》ですが、このデッキにおける《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》はほかのデッキの《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》の十倍くらい強い。マジュニアに対する神コロ様くらい強い。
軽いカードばかりで構成されるレガシーで一般的なデッキに土地をタダで渡すということは、つまり行動回数を増やしてやる、ということです。タダでヘイストかけちゃうんです。
「なんか《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》焼いたら土地二枚増えたからタルモ出すわー」
しめしめってやつです。そこで颯爽と《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》を戦場にたたきつけて相手の顔をイラストのフレイアリーズと同じくらい破滅的にしてやるんです。大丈夫です、3マナで設置して2マナで起動するくらいのマナはあるはずです。
つまりこういうことです。重い呪文の入っていない一般的なデッキにおいて土地が増えるということは行動回数が増加するという以外の意味を持たず、このデッキに搭載された《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》は相手の増加した行動回数を刈り取る働きをし、結果として相手はマナがあるのに展開を抑制せざるを得なくなる。(=土地を渡したデメリットが消える)
単純に《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》のダブル《荒々しき自然/Untamed Wilds(S00)》のおかげで《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》の起動コストが払いやすい、といいうだけでも強いですしね。(親和やゴブリンにブン周りされても《破滅的な行為/Pernicious Deed(APC)》起動が間に合っちゃう可能性が微粒子レベルで存在する)

そうそう、このデッキのブン周りパターンはすごく気持ち悪いです。
例としては、2ターン目に《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》、《老練の探険者/Veteran Explorer(WTH)》をサクってフラッシュバック《陰謀団式療法/Cabal Therapy(JUD)》を撃ちながら出てきた沼二枚で《Hymn to Tourach》。3ターン目に6マナ到達するので《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》or《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》X=5で《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit(ULG)》、みたいな。
なんというか、このデッキは序盤から中盤をすっ飛ばして終盤にたどり着くような、そんな感じのゲーム運びができる。

とにかくつかってて難しいし楽しいし、やりこむほどに新しいシナジーを発見してうれしくなれるデッキなのでお勧めです。

なんかまだ語り足りないので、次は入ってるカードの個別解説でもしようかな。

コメント

社長(魔術)
2012年3月9日0:55

リンクしました! 宜しくです!!

へーちょ
2012年3月9日5:03

こちらこそよろしくです!今度レガシーで遊びましょう!

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